アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


あんなことをした猛だったけど、昨日は何だか変だった気がする。



目がおかしかったような。



酔っ払っていたのかもしれない。



そうであって欲しい。




「殴らないって約束してくれなきゃ話さない」



「わかった」



伸也さんに念をおしてから、私は恐る恐る口を開く。



「昨日、溜まり場、で猛に……」



言葉を吐くたびに、伸也さんの顔つきが変わって行く。



そして、話し終えると何も言わずに私の手を引き部屋を出た。



「どこ行くの?」



聞いても何も答えてくれない。



エレベーターを降りて、溜まり場のドアを開けると、私のブラジャーが落ちていた。



それを見た瞬間、伸也さんが「猛!」と怒鳴った。



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