【原作】妖精なアイツ
第一章 妖精との出逢い

転校

それは、
いつもの朝だった。



ただ違うのは、
部屋に詰まれたダンボールが周辺にある事だけ。



閉め切れていないカーテンの隙間から光が差し込む。



「まぶしいねん!」



私はベッドがら勢いよく飛び上がった。



カーテンの隙間を隠すと、
再びベッドへと潜り込んだ。



再び眠りにつこうと、
瞼を閉じる。



この瞬間が一番幸せ。




……なのに。



その時、
携帯の着信音が鳴った。


「誰なんよ~。
こんな朝早くから…」



髪の毛をクシャクシャと乱暴にかきあげて携帯を開いた。



メール送信者は、いとこのお姉さんだった。



『美希、おはよう!
今日こっちに来るんだよね?
楽しみに待ってるから!』



本文にはそう綴られている。



私は一気に目が覚めた。


「そっか…
うち、今日東京行くんやったっけ…」



そう呟くと、邪魔なダンボールを蹴飛ばして部屋を出た。
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