【原作】妖精なアイツ
「なんで?」



妖精はゴリのシャツを掴んだ。



「『なんで?』って…
駄目もとで頼んでみたんだよ。

そしたらオッケーもらっちゃってさ~…アハッ」



ゴリは口から舌を出してウインクをするが…



普通にキモい。



「な、なんだよ。
それ………」



妖精の手は震えて、信じられない…というような顔をしている。



「なんだー?
強敵出現で混乱してんのか?

お前も可愛いとこあるじゃないか……


って、オーイ?
岩松ー?」


ゴリが話し終わる前に妖精はどこかに向かって走っていた。


取り残された私とゴリは顔を見合わせる。



「桜井は桜井先生といとこなんだって?
近いうち、親戚になるかもしれないからよろしくな!!」




…冗談じゃない。



私はゴリを無視し、
妖精を追いかけた。



多分…あの二人のどちらかの方に向かっているんだろう。



妖精は、
今どんな気持ちでいるんだろう…
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