【原作】妖精なアイツ
私はまだ鼻を抑えたまま、
ドアの近くの椅子に腰かけた。
「光太、俺に用って何だ?」
染五郎さんは生徒会の仕事をしていた様だが、
手を止め妖精の方を向いた。
幸い、
他の生徒会役員はいない。
染五郎さんと妖精、私の三人だけ。
「ぶ、ブラザー。
今年の文化祭さ…」
「うん?」
「イベント…出ないの?」
妖精がそう言った瞬間、染五郎さんの目は泳いでいたが、
その後、苦笑いしてこう言った。
「ああ…
仕事が忙しいからね」
「嘘だね。」
妖精はピシャリと言葉を遮った。
「ブラザーは嘘をつくと目を見ない。
長年兄弟やってるんだから分かるよ。」
妖精がそう言うと染五郎さんは頭をかかえた。
「桜井先生…
ゴリーチャーと組むんだよ。
それでもいいのかい?」
「規子がいいなら……いいんじゃないか?」
微笑んだ染五郎さんは、
また、目を見ていなかった。
無理をしているんだと、
私でも分かった。
ドアの近くの椅子に腰かけた。
「光太、俺に用って何だ?」
染五郎さんは生徒会の仕事をしていた様だが、
手を止め妖精の方を向いた。
幸い、
他の生徒会役員はいない。
染五郎さんと妖精、私の三人だけ。
「ぶ、ブラザー。
今年の文化祭さ…」
「うん?」
「イベント…出ないの?」
妖精がそう言った瞬間、染五郎さんの目は泳いでいたが、
その後、苦笑いしてこう言った。
「ああ…
仕事が忙しいからね」
「嘘だね。」
妖精はピシャリと言葉を遮った。
「ブラザーは嘘をつくと目を見ない。
長年兄弟やってるんだから分かるよ。」
妖精がそう言うと染五郎さんは頭をかかえた。
「桜井先生…
ゴリーチャーと組むんだよ。
それでもいいのかい?」
「規子がいいなら……いいんじゃないか?」
微笑んだ染五郎さんは、
また、目を見ていなかった。
無理をしているんだと、
私でも分かった。