【原作】妖精なアイツ
「ミッキー。
ごめん…着いてきてくれる?」



「え…っ
どこに?」




そう言った途端、


ギュ…
と、手をつかまれた。



「ヒ…ヒカル?」



いきなりだったから、
びっくりした。



でも…照れる余裕は無かった。
妖精の手は震えてたから…。








「僕…
桜井先生に気持ちを伝えるよ。
それで…スッキリするから。


そうすればこれから…
ブラザーや桜井先生、ミッキーにも、
迷惑かけなくて済む。


…もっと早くにしとけば良かったね。」




そう言って妖精は笑った。
…無理しなくてもいいのに。




「大丈夫なん?」


「うん、
ミッキーがいるからね」




妖精は、
重いはずの足を動かし、


保健室に向かっていく。




妖精の手の震えは、
少し止まっていた。
< 106 / 121 >

この作品をシェア

pagetop