【原作】妖精なアイツ

妖精

開いたドアから、何者かが入って来た。



髪はサラサラの黒髪。



瞳はキラキラと音を立てて輝いている。



シュッと通った鼻筋に、
プルプルの唇。



制服のシャツにはこれでもかって位にレースが付いており、



学ランは真っ白で、
袖と裾には金の刺繍が施してある。



靴は真っ白で先っぽは上を向いて尖がっている。



色素の薄い彼の胸ポケットには、
真っ赤な薔薇が刺さっていた。



……なんだアイツ……。



私は眉間にシワを寄せた。



だって、あきらかにおかしい!!



例えるなら60~70年代の少女漫画の王子様みたいな感じだ。



「岩松!!
お前何分遅刻してると思ってるんだ!!」



ゴリが怒ると彼は髪をかきあげ、こう言った。



「そんなに顔を真っ赤にさせて、
トマトにでもなるつもりかい?ティーチャー。

あ、あだ名がゴリだから『ゴリーチャー』かな。」



「勝手に変なあだ名つけんな!!」




ゴリはさらに顔を真っ赤にして怒っていた。
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