【原作】妖精なアイツ
第三章 デート

突然の電話

それは、
私が引っ越して半月が経った頃だった。



「おい、
そこの女子高生。」



兄貴が私の部屋のドアを開け、
何かを差し出して言った。



「リビングで鳴ってたで。」



兄貴が差し出したのは私の携帯。
誰からだろう?と思い、着歴を開いた。




……長谷川。



―――すっかり忘れてた。
ヤツの事を。



「なんやなんや?
コレからか?」



兄貴は親指を立てて言う。



「え?
なにそれ、ゲッツ?」



いやあ、ゲッツはこれやろ~
と、人差し指を出す。



「って言うか古っ!!」



兄貴は一人で喋っている。
私はそんな兄貴は無視して部屋のドアを閉めた。



「金持ちしか認めんぞ!!」



兄貴はそう言って一階に戻って行った。
私は着歴から長谷川に電話を掛けた。
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