【原作】妖精なアイツ
妖精はひとりで痛がって、
それを見ていた小杉が心配そうに妖精を見る。
私は妖精の首根っこをつかみ、
調理場へと向かった。
調理場には、
材料が置かれていた。
「ん~。とりあえず…」
私は何から手をつけるか考えていた。
すると隣で音がした。
ストトトトッ!!
華麗な包丁捌きで材料を切っていく妖精。
私は目を疑った。
「あ、あんた…料理もできんの?」
私は妖精の顔を覗きこんだ。
「日本男児たるもの、
料理くらい作れないと!」
包丁をキラリと光らせて微笑む。
「すげ~」
私は妖精の包丁捌きに関心していた。
………パコンッ!
「ぁいたっ」
「妹!
何してんねんっ!
ボーっとしてんと手動かせぇ!!」
兄貴はサングラスをかけてカーディガンを肩からはおっている。
手には、台本らしきものが…。
か、監督?
一体、何の監督なのだろうと思いながら、
私は人参の皮を剥いた。