【原作】妖精なアイツ

「あ…あいつ、
料理も作れるのか…」



ゴリはこっそり調理場を覗いていた。



「原田先生?」


「はっ!
桜井先生!!」



原田則夫。
ゴリの名前である。



「空手部の皆が待ってますよ。
どうされたんですか?」



「あ、いいいいいえ!
さささっ、行きましょう!!」


ゴリはのり姉の背中を押して調理場から去った。





「腰の動きがなってない!」



「料理すんのに腰の動き関係無いやろ!!」



また兄貴との兄妹ケンカが始まる。



「仲が良いね!
羨ましいよ。」



妖精が笑いながらそう言った。



「せやろせやろ?
てか、聞いてや王子。

コイツなあ、中学生になるまでは

『お兄ちゃんと結婚する~』

とか言っとってんでー!!」



「わー!
言うなあ!!」



私は赤面して兄貴の口を塞ぐ。



「ははははは!
ミッキーはブラコンなんだね!」



「そ…そうゆうあんたこそどうなんよ!
兄貴…染五郎さんと仲良いん?」



私がそう言うと、
妖精は黙ってしまった。



そっか…
気まずいに決まってるよね。
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