【原作】妖精なアイツ
妖精は、
皆から少し離れた海岸に腰を下ろした。
夏風に揺られた髪をかきあげて
海を見ていた。
私が黙って妖精の隣に座ると、
顔を一瞬こちらに向けたが
すぐ、
海の方へと顔を戻した。
妖精の横顔を見ると、
先程の勝負で赤く染まった頬が痛々しかった。
「…僕は、やっぱり、
ブラザーには勝てない」
そう言って少し顔を上げた。
「昔から…そうだった。
かけっこや
テストの成績、
身長だって…
何ひとつ…
勝ててない」
また、
夏風が吹いた。
「もう…無理なのかな」
妖精がそう言った瞬間、
バッチ―――――ン!!!!
…と、
大きな音が鳴った。
それは、
少し離れた空手部の部員や、
ゴリ、染五郎さん、
そしてのり姉にも
聞こえていた。
皆から少し離れた海岸に腰を下ろした。
夏風に揺られた髪をかきあげて
海を見ていた。
私が黙って妖精の隣に座ると、
顔を一瞬こちらに向けたが
すぐ、
海の方へと顔を戻した。
妖精の横顔を見ると、
先程の勝負で赤く染まった頬が痛々しかった。
「…僕は、やっぱり、
ブラザーには勝てない」
そう言って少し顔を上げた。
「昔から…そうだった。
かけっこや
テストの成績、
身長だって…
何ひとつ…
勝ててない」
また、
夏風が吹いた。
「もう…無理なのかな」
妖精がそう言った瞬間、
バッチ―――――ン!!!!
…と、
大きな音が鳴った。
それは、
少し離れた空手部の部員や、
ゴリ、染五郎さん、
そしてのり姉にも
聞こえていた。