【原作】妖精なアイツ
その拍手のために
その笑顔のために
桜井先生に喜んでもらうために―…
僕は頑張った。
こんなに、
誰かのために
頑張ろうなんて思った事なんて無かった。
僕は桜井先生が好きだ。
この気持ちを伝えたら…
先生はどんな顔をするだろうか?
僕は衣装を着たまま保健室へと駆け込んだ。
この気持ちを…
桜井先生に―…
「ほんま良かったわあ!
光太くんの舞台!」
ドアに手をかけた時、
中から桜井先生の声がした。
僕の舞台が良かった…
嬉しい…
けど、誰と―…?
「光太のヤツ、
家でもずっと練習してたからなあ」
兄貴―――…?
なんで…
前もここで兄貴は先生と会ってた…
ただの偶然?
それとも、
ふたりは―…
「規香、お前光太の事よく見てたなあ」
兄貴が嬉しそうに先生に話す。
敬語では無い。
「だって、染五郎の弟やもん。
彼氏の弟を応援すんのが当たり前やんか」
彼氏―――…
兄貴が…
桜井先生の…
その瞬間、
頭が真っ白になった。
僕の気持ちは、
その瞬間に伝わる事なく…
打ち砕かれた気がした。
その笑顔のために
桜井先生に喜んでもらうために―…
僕は頑張った。
こんなに、
誰かのために
頑張ろうなんて思った事なんて無かった。
僕は桜井先生が好きだ。
この気持ちを伝えたら…
先生はどんな顔をするだろうか?
僕は衣装を着たまま保健室へと駆け込んだ。
この気持ちを…
桜井先生に―…
「ほんま良かったわあ!
光太くんの舞台!」
ドアに手をかけた時、
中から桜井先生の声がした。
僕の舞台が良かった…
嬉しい…
けど、誰と―…?
「光太のヤツ、
家でもずっと練習してたからなあ」
兄貴―――…?
なんで…
前もここで兄貴は先生と会ってた…
ただの偶然?
それとも、
ふたりは―…
「規香、お前光太の事よく見てたなあ」
兄貴が嬉しそうに先生に話す。
敬語では無い。
「だって、染五郎の弟やもん。
彼氏の弟を応援すんのが当たり前やんか」
彼氏―――…
兄貴が…
桜井先生の…
その瞬間、
頭が真っ白になった。
僕の気持ちは、
その瞬間に伝わる事なく…
打ち砕かれた気がした。