【原作】妖精なアイツ
「おー!
妖精じゃん!」



誰かが僕に声をかけてきた。
相手は同じクラスの松井夏男だった。



「お前すげえなあ!
演技うめぇーじゃん!!

この妖精っ!」



バシバシと背中を叩かれ、
笑われた。



「ふっ…
妖精?」



しらけた笑いをしながら横目で夏男を見る。



「おお!
お前は妖精だ!」



この男の言っている事はよく分からない…。



だが、
その時僕の中でプチンと音が鳴った。



「ふふふ…
そうか…妖精か…

それもいいかも」



「?」



夏男は不思議そうな顔をして僕を見ていた。
だが僕はそんな事を気にしてはいなかった。





『もうこのまま妖精になってしまおう!』




僕はそう決意した。
ほぼヤケだった。
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