【原作】妖精なアイツ
第六章 文化祭

実行委員

鳥の鳴き声が聞こえ、
カーテンの隙間から光が射し込む。



「まぶしいねん!」



いつかと同じ様に、乱暴にカーテンを閉める。



ひとつ違うとすれば、
ため息。



ふと、
思い出してしまった。



私は妖精の事が好きなのだと。



気持ちはいつもあっても、
自覚するのは恥ずかしい。




「恋することは恥ずかしい事ちゃうぞっ」




「うわ!
びっくりしたあ!」



兄貴……
何故ここに?



「お兄様に恋焦がれてんのか?
カモンっ!妹よ!!」



「黙れっ!
ワカメヘアー!!」



私は部屋にあったものを投げつける。



「たくあん投げんな!
ってか、なんで部屋にたくあんあんねん!?」



私は兄貴にたくあんを付けて逃げて行った。


「非常食や!」



私はそれだけ叫んで部屋の扉を閉めた。
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