【原作】妖精なアイツ

瞬間

「はい、これホッチキスで止めて~」



…パチ。



始業式後の文化祭の準備。
もちろん、妖精も一緒。



…なんだけど。




「仕事しろよ」



私はヤツを睨んで言う。



「ん?
気にしないで仕事していいよ!!」



「やかましわっ!
アンタ、王座みたいな椅子に座ってミルクティーなんか飲んでんちゃうで!!

ほんで小杉まで教室に連れてくんなや!!」



小杉は口でホッチキスを使っている。
何て器用な。



「ミッキー。
細かい事を気にしていたらシワが増えるよ?」



「帰れ!!」



私はその辺にあった紙を妖精にぶつけた。



「ブッ、
ブルルルル・・・」



小杉は心配そうに妖精に駆け寄る。



「乱暴だなあ…
ミッキーは。

分かったよ。
屋上で待ってる。」


「は?何で?」


「漫才の練習に決まってるじゃないか!」




…ああ。




「『頑張ろな』って言っておいて忘れてるのかい?
まったくミッキーはおバカさんだね」



「うるさいっ
さっさと行け!!」



私は再び紙を妖精に投げつけた。
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