春は来ないと、彼が言った。
2日前はまだ冬だった。
雪がこれでもかってくらいに積もってて。
ぶつぶつ文句を言いながら、当たり前のように恢の隣を歩いた。
財布を探してる間に、コンビニで肉まんとあんまんを買ってくれたよね。
…フランクフルトが食べたかったことも見透かされてて。
寒さに耐えながら熱い肉まんを食べた。
あ、そうそう。
恢が半分こにしてくれたんだったね。
わたしは熱くて持ってるのが精一杯だったのに、平然と割っちゃって。