春は来ないと、彼が言った。


恢はすごいなぁって思ったんだよ。


あと、すごく優しいなぁって。



いつまでもこんな毎日が続くって、


わたし、














「おもっ…てた、ん、…だよぉ…?」



ぽたりぽたりとスカートに小さな染みが拡がる。

心を侵食していくように、じわじわと。


誰もいないとわかっているのに必死に声を押し殺した。



泣いていることを認めたくなくて、でも悲しくて寂しくて。


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