春は来ないと、彼が言った。
「…ひ、うっ、ひくっ…」
恢はいつまでもわたしの側にいてくれるんだって。
何の確証もないけど、信じてた。
好きになってもらえるなんて思ってなかったけど。
でも、でも。
友達としてなら永遠だよねって。
ずっと、思ってた。
…今となっては、独りよがりの妄想でしかないのに。
「…いつまで…続くのっ…?」
涙の滲んだ言葉が口から飛び出した。
ぐずっと鼻をすすり、手の甲で濡れた眦を何度も拭う。
下を向いている所為で留めが効かないんだとわかっているのに、顔が上げられなかった。
…もしかしたら、わたしは勘違いをしていたのかもしれない。