春は来ないと、彼が言った。


意地悪な笑みを浮かべたまま、睦くんは自分の机の上にどさっと座った。


長い足が目の前でゆっくりと揺れる。



「あーんな派手に椅子を散らかしちゃってさ。1人で片付けたオレに感謝して欲しいなー」



唇を尖らせ拗ねてみせる睦くんの言葉に思考がフリーズしかけた。


散らかった椅子って…。

ま、まさか…。



…え、えっ、ええええっ!?!?

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