春は来ないと、彼が言った。


睦くんはお腹を抱え、机をバシバシ叩きながら笑っている。


む、むううっ…!



「あはははっ!やば、ほんと、椛ちゃんサイコー…!」

「も…、もう、睦くんっ!してないよ!き、キスなんて…!!」



そう。

本当のことだ。

してない。

キスなんて。

だって。

だって。

だって。




拒んだんだ、わたしが。


恢を。












「あ、恢のこと突き飛ばしたりしちゃった?」



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