春は来ないと、彼が言った。


昨日と同じように放課後、教室で睦くんを待った。

また職員室に用事らしい。

気になって理由を尋ねてみると、なんでも生徒会の仕事を手伝わされているようだった。


さすが睦くんだ。


なんでもできて、誰にでも優しくて。

…わたしにも親切で。

そういう人はどこからも求められるんだなぁ、しみじみとそう思った。



「……あ」
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