春は来ないと、彼が言った。


「……………こわい」



わたし、絶対、立ち直れないから。

だから。

自分でこの想いを閉じ込めるの。


隣を歩くのも。

買い食いをするのも。

笑い合うのも。

想いを募らせるのも。



全部全部、もうやめよう。



耐え切れなくなった涙が、ポロポロと溢れ出した。

まるでどう足掻いても堰き止めることのできない、恋心のように。

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