春は来ないと、彼が言った。
柔らかい日常
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「あ、椛ちゃんおはよー!」
翌朝。
いつも通りの時間に学校へ行くと、ふわふわと揺れる茶髪が視界に入った。
ちょっと長めの襟足は、毎日違う色のヘアゴムで結んである。
「おはよう、睦(りく)くん」
昇降口で雪にまみれたローファーから上靴に履き替え、そっと睦くんの隣に並んだ。
睦くんとは同じクラスで、席も近い。
誰とでも仲良くなれる社交的なタイプの睦くんは、多分うちの学年で1番有名だ。
背もわりと高いし、カッコいい。
…恢には負けるけどね、なんて…わたしが言うセリフじゃないけど。
「あ、椛ちゃんおはよー!」
翌朝。
いつも通りの時間に学校へ行くと、ふわふわと揺れる茶髪が視界に入った。
ちょっと長めの襟足は、毎日違う色のヘアゴムで結んである。
「おはよう、睦(りく)くん」
昇降口で雪にまみれたローファーから上靴に履き替え、そっと睦くんの隣に並んだ。
睦くんとは同じクラスで、席も近い。
誰とでも仲良くなれる社交的なタイプの睦くんは、多分うちの学年で1番有名だ。
背もわりと高いし、カッコいい。
…恢には負けるけどね、なんて…わたしが言うセリフじゃないけど。