春は来ないと、彼が言った。
淡く色付く願い
あっという間に4時間目の化学の授業が終わり、待ちに待ったお昼ご飯の時間になった。
終わるや否や恢と睦くんは購買に走り、藍くんはわたしたちの飲み物を買いに行ってくれた。
いくら自分のを買うついでと言われても、パシリにしているようで気分は良くない。
妃ちゃんに押され思わず頷いたことをちょっと後悔していた。
「椛ちゃん」
「ん?」