春は来ないと、彼が言った。
それがなんなのかを把握する前に、恢が行為を中断した。
安堵の息を漏らしかけたわたしを嘲笑うように、恢の顔がさらに近付いてきた。
少し首を傾けたまま、わたしの双眸を確実に射抜く。
呼吸が止まる。
喉がひゅうっと鳴った。
視線が逸らせない。
心臓が高鳴る。
熱い吐息が顔にかかる。
恢の手が頬に触れた。
―――キス、される?
そのまま、
ゆっくりと、
く
ち
び
る
が
触
れ