我が家のあいどる(仮)


その仕草は見覚えがあった。


それはあたしが老人ホームに住み着いていたころ

スタッフの一人がこうしてあたしを膝の上にのっけてスヤスヤしてた。



あなただったのね。なつかしい。


そう思い乗ろうとすると、お母さんの膝が小さくてすぐに落ちてしまった。


『お母さん。あたしはどうも大人になったみたい。乗れないわ』

と断念して、日差しのいいところに移動した。


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