俺様生徒の甘いくちづけ
その言葉を聞いた時…一瞬、背筋が凍りついたような気がした。
『俺と…元カノの子供。時々…俺、ちはると会ってたんだ』
ちはるって…誰?
そんな人…あたしは知らない。
それに、時々…会ってたってどういうこと?
なんで会ってたの?
たっちゃんの言ってることがちっとも理解できない。
『だけど、俺は美桜のことが本気で……』
急にたっちゃんがあたしの肩を掴み、抱きしめようとする。
『いやっ!その人に触った手であたしに触らないでよ!!』
あたしはそれを振り払って全身で拒否した。
『美桜…お願いだから。ちゃんと俺の話聞いてくれよ』
『今すぐ帰ってっ!もう何も聞きたくない』
大好きな人を睨んで、お腹の底から怒鳴った。
話を聞いても…辛くなるだけで、現実は何も変わらないから。