俺様生徒の甘いくちづけ
そう。まるで、たっちゃんに名前を呼ばれたみたいに。
似ているなんて…そんなもんじゃない。
本人そのものの声で。
───バサッ!
だから、動揺しちゃって手に持っていた教科書も辞書もチョークが入ったケースも全部、床に落としてしまった。
「なにやってんだよ?」
「あっ、ゴメンなさい…」
やっぱり、たっちゃんの声だ。
意識しすぎ。生徒に敬語なんか使っちゃって…あたし、バカみたい。
そんなことを思いながら、粉々になったチョークのかけらを拾っていると──・・・