俺様生徒の甘いくちづけ

「つーか、オレのこと見すぎ。そんなに見つめちゃって、美桜はオレにキョーミでもあんの?」


「きゃっ!?」


「ハハッ」


急に彼がチョークの粉がついた自分の指を、あたしの頬に擦りつけてきた。


「やめてったら!ちょっと知り合いに似てただけだし」



突然、頬に触れた長い指にドキドキしてるんじゃない。


ただ、あの人の目に似てるだけ。


だから、ちょっと意識しちゃうだけ。


って言うか、なんで、あたしの下の名前知ってるの?教員の名簿にそれくらい書いてるけど。


それに『美桜、美桜』って…さっきから、どうしてあたしのこと名前で呼ぶのっ!



「……ふーん」


「それより、あたし一応 先生だし、呼び捨てにしないでくれないかな?古賀先生って、ちゃんと呼んでよっ!」


「ヤダ」


即答でそう答えた彼の瞳が真っ直ぐにあたしを見つめる。


「今、ヤダ!?って言った?」


「ああ。つーかさ。先生って言ったって美桜って見た目がお子様じゃんっ!」


「お、お子様ぁ~~!?」


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