俺様生徒の甘いくちづけ

「ハゲないもんっ!」


「子供かよ。ムキになりやがって…ククッ」


こんなヤツ…もう相手にしないって思って顔をしかめていたら、あたしの顔をじっと見ている視線を感じた。



今度は急になに?


さっきまでふざけてたくせに。突然、真剣な顔なんかしちゃって──・・・



「なによ!人の顔、じっと見て。言いたいことがあるなら言えば?」


「言いたいことっつーか。オレ…ずっと前から美桜にキョーミがあるんだよね」


「テキトーなこと言わないでよっ!あたしのこと、新人の先生だと思ってからかってるの?」


「は?からかってなんかねえよ!」


「あたしがこの高校に来てまだ1週間しか経ってないのに…。それにあたしのこと、なにも知らないでしょ」


「……知ってるよ。オレは美桜のことをずっと前から知ってる」


「知ってるわけないじゃないっ!!これ以上、相手にしてたら授業に遅れちゃう」


相手にするだけ時間の無駄だと思って、立ち上がろうとした瞬間だった。






「オレにしろよ。全部、
 オレが忘れさせてやるから」




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