俺様生徒の甘いくちづけ
最後にそれだけ言うと、五十嵐くんはあっさり腕を解いていきなり音楽室から出て行った。
「なんなのよ…いったい、どういうつもりであんなこと言ったの?」
心の中でいろんな想いがかけめぐる。
あ~もう、だからあたしの中に入ってこないでって言ってるじゃない!
1人になって、また静かになった音楽室。
でも、心臓はまだうるさいままで
それに1人になったのに、まだ五十嵐くんがここにいるみたいに感じる──・・・
抱き締められた体も、甘く囁かれた耳元も…やけどしたみたいに熱い。
「この香り……」
そして彼がつけていた甘く爽やかなシトラス系の香りが今もあたしの全身を包んでいるようだった。