俺様生徒の甘いくちづけ


「……………」



ビックリしすぎて、すぐに声が出てこなかった。


「おい、大丈夫か?」


信じられない人の顔があたしの瞳に映っている。


「どうして…ここにいるの?」


「朝、美桜の調子悪そうだったから気になって後をつけてたんだ。……わりぃ。部屋に入るの見たら、そのまま帰るつもりだったんだけど、急に大きな音が聞こえて、見に来たら美桜が急に倒れてて、かなり焦った」



じゃあ、さっきのは夢でも…たっちゃんでもなかったんだ。


そうだよね。


たっちゃんがここにいるわけないじゃない。



──バカみたい。



今、あたしの目にいるのはたっちゃんじゃなくて




普段、見せない心配そうな顔をした俺様な…アイツだった。


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