俺様生徒の甘いくちづけ
『あれ?あがらないの?』
玄関で突っ立ったまま、さっきから俯いている…たっちゃん。
いつも部屋にやって来るなり、『美桜!』って笑って言ってくれるはずなのに…。
今日はなんだかヘン。
なんとなくだけど、あたしは この時、たっちゃんの様子がいつもと違うことに気が付いたんだ。
『どうしたの?なんかあった?たっちゃん…』
ずっと自分の足元を見たまま、あたしと視線を合わせてくれない。
伏せている顔を下から のぞきこんで見てみると、たっちゃんの顔色が少し青くて悔しそうに下唇をきつく噛んでるのがわかった。