俺様生徒の甘いくちづけ

「いや。絶対に見とれてたし」


ガタッと音を立てて椅子から五十嵐くんが立ちあがる。


「ぜっ、絶対に見とれてなんかないもんっ!」


そう反論するだけで精いっぱいなあたし。



「クスッ。美桜、すげぇ真っ赤になっちゃって…かわいっ!」



ツンッと人差し指で熱くなってる右頬を突かれた。


「キャッ!急になにするのよ!?」


「オレのことを意識してる美桜がかわいくて…もっとイジメたくなる」


「はっ!?なに言ってんの」


「どうすっかな。あーもっとイジメてー」


「ちょっとやめてったら!」



「美桜──・・・」



耳元に温かい息が吹きかかり、極上に甘く囁かれた時




──チュッ…



< 62 / 104 >

この作品をシェア

pagetop