俺様生徒の甘いくちづけ
なにニヤニヤして笑ってるの!
って言うかねー、五十嵐くんが何フェチだろうとあたしには関係ないしっ!!
「かっ…からかうのもいい加減にして!何度言ったらわかるの」
いっ、いきなりキスするなんて信じられない。
最近の高校生はいったいなに考えてるの。
きっと…今、頬と触れられた耳は真っ赤で。
動揺しちゃって、こっちは舌がうまく回らないし。
あーっ、もう!!
「あっ美桜、もしかして動揺してる?」
ドクン…ドクン…。
今、怒ってるはずなのに心臓がオーケストラのように大きな音を立ててるのは…どうして?
いきなりキスされたから?
それとも彼が…たっちゃんに似てるから?
確かにそうなんだけど、なんだかわかんないけど…それだけじゃないような。
「あっ、わかった。オレにドキドキしてんだ?」
五十嵐くんの大きな瞳が優しいカーブを描き、あたしを見て嬉しそうに笑う。
「バカッ!するわけないでしょ!」