俺様生徒の甘いくちづけ
「どうかした?古賀先生がイライラしてるところ、初めて見た」
「えっ、あたし、イライラなんか…」
振り向くと、白いTシャツを着て紺色のジャージを膝までまくり上げている佐野先生があたしの顔を見て笑っていた。
「なんかあった?俺には怒ってる顔に見えるけど…」
「別に…なんでもないです」
「ホントに~?」
語尾を上げてふざけてるみたいに言って、佐野先生があたしの顔を覗きこんでくる。
「だから、なんでもないって言ってるじゃないですか!」
「アハハッ!すぐにムキになっちゃって。古賀先生って面白いっ!」
白い歯を見せて、楽しそうに笑ってる先生の顔を見ていたら、一瞬、自分が怒ってることを忘れそうになった。