俺様生徒の甘いくちづけ

いつものようにエラそうにそう言って、あたしの隣に座る。



「あたしはいつもこの時間なんです!」


「ハハッ。知ってるよ。冗談だろ」



もう慣れた状況のハズなのに、いまだキンチョーしちゃうあたし。


また、この距離でなんかされないかなんて、バカなことを考えていたら──・・・



「ふわぁ……。まだ、ねみぃわ。オレ、もうちょっと寝るから着いたら起こして」


「え?」


「スースー…ッ」



はやっ!もう寝ちゃってるし。


1人で意識してバカみたい。



あたしのことを落とすんじゃなかったの……。



それからあたしはバスが学校に到着するまでの間、なにもなかったみたいに寝ている彼の横顔を何度も見ていた。


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