シュガー × シュガー
「お疲れ様です」
「お疲れ~」
「お疲れ様っ」
次々と出てくる教官たちは
あたしを見て挨拶をする。
「あっ、お、お疲れ様です」
焦って急いで挨拶を返した。
「お疲れっす…おっ、平岡さん♪」
「あ、先生。お疲れ様です」
教官の中に紛れて出てきたのは
さっき教習をうけた西野先生。
あたしに気づいてくれた。
少し心がほわんとなる。
それと同時にちょっと、しめつけられる感じもする。
「このあと学科?」
「はい」
「それで帰りだよね。俺送りだから♪」
「あっ、はい。お願いします」
ぺこっと頭を下げると
先生は後ろ手に手をふって
行ってしまった。
背中を、
いつまでも見ていたいと思った。