シュガー × シュガー
あたしはひとりで座っている人に声をかけた。
みた感じ、ここしかない。
何となく、怖そうな合宿生…。
額に汗を感じた。
「…あぁ、いっすよ」
顔をあげて、めんどくさそうに声を発した男の子。
大学生かな?
少し散らばっていたペンや消しゴムを
あたしのスペースの為に片付け始めた。
なんか申し訳ない気持ちになって
「ありがとうございます」
とだけ小声で言って座った。
「伊織ちゃんて言うの?」
「かわいーねえ!」
「地元の通い?仲良くしよ!」
聞こえる声に振り返ると
伊織も席に着けたみたいで安心…だけど、ナンパされてない?
「かわいくなんかないですぅ!あっ、地元ですよお」
しかもまんざらでもなさそう…。
なんなのよ。
それにしても、対照的すぎる自分に
ため息が出た。