シュガー × シュガー
チャイムが鳴り、教官が入ってきて学科が始まった。
この教官もなかなか若いみたい。
説明にちょいちょい挟むギャグで
結構笑いをとっていた。
年も近そうだし、感覚も生徒と同じ感じがした。
この人もいい人だなあ。
授業退屈しない!
「…え、…ねえ!」
「あっ、は、はい?」
突然、隣の男の子に呼ばれた。
なになになに
めっちゃ怖いよお!
「ペン、落ちたよ」
「…ペン?」
「これ、あんたのじゃない?いらないの?(笑)」
そう言って、目の前で振られたボールペン。
あ、あたしのだ。
いつの間に…
「いっ、いりますいります!すみません」
「ははっ(笑)ほら」
「あ、ありがとうございます」
受け取ろうとした瞬間、
彼はペンをすっと引いた。
…ちょっと。
「あ、あの。返して下さい」
「えー(笑)」
「それがないと書けない…」
「じゃあ……はい」
??
そう言うと
ルーズリーフを小さくちぎって
そこに何かを書き込んでから
ペンのクリップに挟めて渡された。
なに?
少しためらったが受けとった。
とりあえず、紙はほっといて
授業に集中することに。
鼻で笑われた気もしたけど
それもほっといて
授業に集中することに。
なんなの、合宿生って。
初対面を普通からかうか?
ぱっとみると
教官ともバッチリ目が合ってしまった。
…まずい。
ふざけてたの見られたかな?
けどあたしのせいじゃないよ…。
授業は続き、
チャイムの前に
教官ははんこを押して回った。