シュガー × シュガー




なんか、授業もよくわからないうちに終わってしまった。


隣の彼も…よくわからない。


ペンに挟まった紙も
開いていいものか…。



そのうちに、教官は
あたしたちの席までまわってきた。


何事もなかったかのように
黙って手帳を差し出す彼と、
若干びくびくしているあたし。

はんこを押すと、



「君たち、楽しそうだったねえ」



皮肉たっぷりの言葉。

あーあ、やっぱり。




「ごめんなさい」

顔は見れなかったけど
うつむきながら謝った。


なのに…

「この人面白いっすよー」

悪びれる様子もない合宿生。


カチンときて、あたしは思わず睨んでしまった。


「こらー、女の子に向かって!」

ふざける男子生徒と
茶化すように言う教官。



ちらっと名札をみた。


広瀬涼太…。



ついでにこの合宿生も!

手帳を盗み見ると、


中川宏平


中川か、覚えたぞ。





やがてチャイムが鳴り、
あたしは伊織と合流して
2階に降りた。



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