シュガー × シュガー
「うわあ!みて玲美、アドレスだよ」
…げ。まじ?
「なんでまたアドなんか…」
「メール送るの!?どんな人?イケメン?」
「どんな人って……」
答えに困った。
だいたい、メールする気なんてない。
顔も全然覚えてない。
ただ、あの人をばかにするような…
上から目線的な態度が気に食わなかった。
「なになに平岡さん、ラブレターもらったの?」
しかも、それまで黙っていた西野先生が突然口を挟んだ。
「そうなんですよー!モテちゃって困りますね♪」
返事をしたのは伊織。
「ちょっと!…なんかからかわれたみたいです」
伊織の口をふさぎつつ、
ミラー越しに先生をみた。
不意に目が合う…。
「男は好きな子からかうからねっ」
ニヒヒといたずらに笑う先生。
そんな少年ぽい表情も
さらに魅力を増す。
カッコイイよね、ほんと。
伊織の話を軽く流しつつ、家に着くまで先生の背中をチラチラ見ていた。