シュガー × シュガー
「はい、お疲れ様でした」
「「ありがとうございました」」
気がつくと、バスはマンションの前で停まった。
あーあ、着いちゃった。
早く家に帰りたかったはずなのに
先生を見てたら
少し、寂しいような。
小さく手を振って、
先生はバスを走らせた。
自動車学校のロゴ入り送迎バスは
あっという間に見えなくなった。
「明日は9時に迎えかー、めんどいなあ」
伊織が伸びをしながら呟いた。
「めんどいねー、起きれるかな」
言いながら思った。
あたし、めんどくさいなんて思ってない。
むしろ…早く車学行きたいかも。
「また明日ね」
伊織とわかれて自分の階に向かう。
エレベーターの中でひとり、
西野先生の顔を思い出していた。