シュガー × シュガー
気づかないうちに
ピピピ、ピピピ、ピ…
朝8時。
目覚まし時計を止めてベッドを出る。
「おはよ」
リビングに降りて、朝食をとった。
「今日は9時迎え?」
洗い物をしながら
母がたずねる。
「そう、9時」
「遅れないようにね」
「はーい」
ニュースを見ながらパンをかじり、
歯を磨いて顔を洗った。
今日も西野先生の迎えがくると思うと、まるで初恋を覚えた中学生のような気持ちになった。
たかが車学なのに
バッチリ髪を巻いた。
たかが車学なのに
バッチリ化粧をした。
たかが車学なのに
着ていく服に散々迷った。
鏡を何回もみて家を出た。
そして、昨日と同じ場所で
伊織とバスを待った。