シュガー × シュガー





「あっ、あれじゃない?」


伊織が指さした先には
自動車学校のロゴが入ったワゴンが。


「やっと来たぁ!」

入口の階段に腰かけていたあたしたちは
思わず勢いよく立ち上がる。



ピーッ


ワゴンのドアが開く。



「お疲れ様です!平岡玲美さんと桜木伊織さんですか?どうぞ」


「「お願いしまーす」」



今まで外の寒さとは一変して
暖房がきいた暖かい車内。


ウトウトしながら
気がつけばもう学校の手前だった。




「かなり疲れてるみたいだね(笑)着いたよ」


送迎の方が言った。


「なんかあっという間でしたね。あ、伊織!起きて!着いたって」


上を向いて口を開けて寝てたのを
送迎のこの人は見ていたのかな…。

急に恥ずかしくなって
伊織を大袈裟にたたき起こした。



ピーッ


ドアが開く。



「ありがとうございました」

「はい、お疲れ様。受付は階段上がって2階にあるからね」

「はーい」


あたしと伊織は
受付に向かった。



< 3 / 62 >

この作品をシェア

pagetop