シュガー × シュガー
「あっ、あれじゃない?」
伊織が指さした先には
自動車学校のロゴが入ったワゴンが。
「やっと来たぁ!」
入口の階段に腰かけていたあたしたちは
思わず勢いよく立ち上がる。
ピーッ
ワゴンのドアが開く。
「お疲れ様です!平岡玲美さんと桜木伊織さんですか?どうぞ」
「「お願いしまーす」」
今まで外の寒さとは一変して
暖房がきいた暖かい車内。
ウトウトしながら
気がつけばもう学校の手前だった。
「かなり疲れてるみたいだね(笑)着いたよ」
送迎の方が言った。
「なんかあっという間でしたね。あ、伊織!起きて!着いたって」
上を向いて口を開けて寝てたのを
送迎のこの人は見ていたのかな…。
急に恥ずかしくなって
伊織を大袈裟にたたき起こした。
ピーッ
ドアが開く。
「ありがとうございました」
「はい、お疲れ様。受付は階段上がって2階にあるからね」
「はーい」
あたしと伊織は
受付に向かった。