シュガー × シュガー
「おはよ玲美!…あれ、なんか今日違う~」
「おはよ。違うって…なにが?」
一瞬どきっとしながら
平静を装う。
やっぱり、伊織の目はごまかせないな。
「髪巻いて化粧して?その服、あのショップの新作じゃん!気合い入ってるね、あのめんどくさがりの玲美が」
…うっ!
「気合いってか別に普通だよ」
必死に抵抗するあたし。
全部見透かされたようで焦った。
「あっ、もしかして恋?」
「そっ、そんな…」
えっ、ばれた!?
てかそんなことない…西野先生には恋とかそんなんじゃ……
「メアドくれた彼と、上手くいったの!?」
えっ!?…そっちかよ。
「そんなんじゃないよ!だいたい
メールしてないし」
ふぅ。危ない危ない。
「まじ~?彼がっかりしてるよ、メール来なかったなあって」
伊織は頭を抱えて、想像での彼の真似をしてみせた。
「そもそもからかっただけだし、向こうこそ本気にしてないって」
「えー、そうかなあ?気にならない子にアドレスってゆう個人情報渡す?普通」
うーん、それはどうだろう。
でもあたしは、中川に連絡するつもりもなければ、これ以上関わるつもりもなかった。