シュガー × シュガー
「お願いします…」
昨日の今日で、まさか当たるとは。
覚えてるのかなあ…?
だったらちょっと気まずい。
あたしはなるべく前を見て
目を合わせないようにした。
「平岡さんね。昨日はずいぶん楽しそうだったね!そんなによかった?俺の学科♪」
!!!!!
「えっ…いや…」
言葉に詰まった。
ほんとに恥ずかしい!
「すみません」
とりあえず謝った。
「冗談★えっとじゃあね~、今日は……」
説明を受け、最初は先生が車を動かした。
外周をゆっくりまわる。
このまま助手席でいいのにな…。
おまけに眠気もやってきた。
まずい。
広くなったところに車を停め、
広瀬先生と運転席をかわった。
「じゃあ外周を左回りで走ろうか」
「はい…」
アクセルを踏み、クラッチをゆっくり離す。
車がゆっくり動いた。
「よし行こう♪」
ある程度走って、ギアを2ndに。
あとはひとまずギアチェンジはない。
ゆっくりゆっくり走らせた。
「あはは。もっとスピード出しても大丈夫だよ~」
広瀬先生は笑って言った。
「でも…まだ怖くて」
「そっか、まあそうだよなあ。けど大丈夫だから!万が一の時に俺がいるんじゃん?(笑)」
はにかみながらこんなことを言ってのける広瀬先生に不覚にもドキッとした。
やっぱり若いなあ~。
ていうか、このセリフ…西野先生に言われた~い……。
教習とは、案外胸キュンだなと思った。
「そういえばさあ、平岡さん昨日ラブレターもらったの?」
「へっ!?」
思わずアクセルを踏む足に力が入った。
急激に加速する。
「うわあっ!」
叫んだ途端、急に止まった。
あ、あれ??
「面白いね、自分でアクセル踏んでおいて(笑)大丈夫か??」
ブレーキを踏んだ広瀬先生は
なぜか大爆笑。
なにやってるのあたし。
…それより……。