シュガー × シュガー





キーンコーンカーンコーン…


やばいっ、
もうチャイム鳴っちゃった。


諦めてドアを閉めた。



生徒だけではなく
続々と教官たちも歩いてきた。




…あ。

途中、中川とすれ違った。


向こうは走っていて
あたしには気づいてないみたいだったけど。



背中にひんやりと嫌悪感が走る。




そんなことよりも
携帯がなかったことにショックを受けた。





「あれっ、平岡さん?」


とぼとぼ歩くあたしに
声をかけたのは
広瀬先生だった。



「せんせぇ…」

今にも泣きそうな声で
あたしは広瀬先生に事情を説明した。


「流れに逆らって歩いてると思ったら、そういうことか!2階の受付に行ってごらん♪さっき誰かが携帯届けに来てたぞ。まあ、平岡さんの物かはわかんないけど…」



「わかりました!受付行ってみます。ありがとうございます」



おう、と広瀬先生は手を振ってくれた。


頭を下げてあたしも受付に急いだ。



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