シュガー × シュガー
「自動車学校の先生方も、大変そうですね」
もちろんキョトンとする先生。
「なんで?」
「だって、こんな大勢いる生徒一人一人に対応して、悩み相談とか雑談で話合わせたり…とか。すごいって思います」
手に汗をかきながら
先生に話した。
「俺は…あんまり。雑談とかしない子はしないし…俺生徒から人気なさそ(笑)」
二本目のタバコを消ながら
先生は笑って言った。
でも意外すぎる。
あたしは先生との乗車、
不安をなくしてくれる授業が
大好きだから。楽しかった。
先生が雑談しないなんて
考えられない。
もしかして…あたしだけ?
また余計な期待が
胸をよぎった。
そんなわけないのに。
「先生、人気ありますよ。かなり」
「えっ!?なんで?まじで?(笑)」
ちょっと嬉しそうな先生。
なんでって聞かれても…
事実だからね。
「だって、生徒同士で騒いでるの見ましたもん。西野先生カッコイイ!って」
あたしもそう思うひとりだけど、
あくまでも"他の人が"って感じで言った。
「嘘だろ!平岡さん上手いなあ(笑)」
なんて、先生ちょっと赤くなっていた。
しばらくして、携帯が鳴った。
伊織からの着信だった。