シュガー × シュガー



「また明日~」


伊織と別れて
あたしは玄関のドアを開けた。


「ただいまー!」

…あれ?


やけにシーンとしてる家の中。

もう夕方の6時半だし
いつもならお母さん帰ってるはずなのに。


とりあえずリビングへと向かう。


電気をつけてみると
テーブルの上に一枚のメモ。


"久々にお父さんと外食してきます"



は?



それと、ラップがかかったパスタ。


…はぁ?



自分たちだけで外食!?

どうせならあたしも連れてってよ~。




すると、メールが入った。

…お母さんから。


『レミ、何時に教習終わるかわからないからお父さんと出かけて来ちゃったごめんね。温めて食べてね』


まったく。


まあ今日のところは、帰宅時間を言わなかった自分も悪い!
ということで諦めよう。




テーブルの上のパスタを
レンジで温めながらあたしはお母さんに返信した。



『わかったよ。楽しんで』



携帯をソファーに投げ置き、
レンジからパスタを取りに行った。




ついでにコーンスープでも飲もうと
袋を開けて、マグカップに入れたその時。


ソファーから重苦しいバイブの音が聞こえた。
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