シュガー × シュガー
『今日携帯なくしたと思って焦ったっしょ?(笑)』
──え?
なんで?
なんでこいつが知ってんの?
さすがにちょっと怖い。
『別に焦ってません。てか何で知ってるんですか?』
ついに…送信。
けど送った後で思った。
もしかしたら、伊織が喋ったのかも。
そう考えたら
あいつにメールを返したことを
ハンパなく後悔した。
「あ~最悪」
しばらく食が進まなかった。
フォークをくわえたまま、
硬直したようにあたしは携帯の画面を見つづけた。
そして、五回目のバイブ。
一気にフォルダを開く。
目を、疑った。
『携帯受付にあったっしょ?届けたの俺だよ』
…まさか、こいつが届けたなんて。
いや、でも待って。
たしかに受付で対応してくれたけど
あたしの携帯を持って現れたのは
……西野先生。
そうだ、西野先生だよ!
あたしの携帯を届けたのは
先生だよ!!
こいつじゃない!
『残念ながら、あたしの携帯を持っててくれたのは西野先生でした』
あたしはこれをドヤ顔で送った。
"え゙っ!?"ってなってる中川を
想像しておかしくなって笑った。
そうだ。
携帯を持っててくれたのは
西野先生だもん。