シュガー × シュガー





『今日携帯なくしたと思って焦ったっしょ?(笑)』



──え?


なんで?
なんでこいつが知ってんの?

さすがにちょっと怖い。



『別に焦ってません。てか何で知ってるんですか?』



ついに…送信。




けど送った後で思った。
もしかしたら、伊織が喋ったのかも。


そう考えたら
あいつにメールを返したことを
ハンパなく後悔した。



「あ~最悪」



しばらく食が進まなかった。


フォークをくわえたまま、
硬直したようにあたしは携帯の画面を見つづけた。




そして、五回目のバイブ。



一気にフォルダを開く。



目を、疑った。







『携帯受付にあったっしょ?届けたの俺だよ』




…まさか、こいつが届けたなんて。




いや、でも待って。
たしかに受付で対応してくれたけど
あたしの携帯を持って現れたのは




……西野先生。




そうだ、西野先生だよ!
あたしの携帯を届けたのは
先生だよ!!



こいつじゃない!






『残念ながら、あたしの携帯を持っててくれたのは西野先生でした』



あたしはこれをドヤ顔で送った。



"え゙っ!?"ってなってる中川を
想像しておかしくなって笑った。





そうだ。
携帯を持っててくれたのは
西野先生だもん。



< 48 / 62 >

この作品をシェア

pagetop